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柳宗宣注册新开户送体验金(竹内新译)

◎柳宗宣



柳宗宣詩選 『河流簡史』(二〇一六)より                訳 竹内 新

1 身体の遺跡
君はサンフランシスコの孤独を武漢へ連れて帰った
深夜三時を回っても 部屋のドアからは

ひとすじの灯りが漏れていて 君はパソコンと
枕元の愛読書の幾つかを前にして なかなか寝付けなかった

君は 靄の大海を渡り抜けるようにして 迫られて姿を現したのだった
―――僕はますます前途が痩せ細ってゆく

私たちが体験した都市は 三十年を経て
もとの姿が見分けられないほどに変貌し 身を寄せているというだけ

高速道路はかつて住んだ故郷の家に通じてはいる
この国に生まれ そしてこの国に死んでゆく

どんな夢幻を託せるのだろう―――五十年を想い起こせば
私たちの時間は この身が体験したことを想い返すためのもの

相思相愛というやつ これによって迫り来る晩年のわびしさに
暇を出してやる 性の出来事のこわれやすさと不可思議は

身体からは遠く離れた異界のこと 一切は身体の
瓦解のよって出来上がる遺跡の上 それは燃やされて

今は無残な姿を晒している 君はそのなかで慰霊を執り行う
私たちが馳せもどる故里はほとんど異郷に変貌している

君はサンフランシスコへ帰ることもできる 狭苦しい我が家はここにある
私はどこへ行きたいとも思わない この身の残影を見守ってやろう

2、俯瞰する眼差し
ごった返す定期市の料理屋で
見知った顔の老けているのに驚かされた
彼らは私の目の前を通り過ぎていった
ある者は すでに行方が分からなくなっていて
もう出会いようがなかった
北方から この地に帰って来た
空間に隔てられた疎遠と遠方からの闖入が
彼らの老いを私の目に留まらせた
(瞬く間に白くなった黒い髪)
もし私がこれまで一度もここを離れず
彼らと時空を共にしていたなら
少しもそれに気付くことなく 彼らの身体上の時間の
影響に驚くこともあり得なかった
どうやら 私がここを抜け出してしまい 彼らとの
空間共有を途中でやめたから 他でもない帰郷が
彼らの老けた姿 この小都市の衰微を
目にする結果をもたらしたようなのだ
お馴染みの旧い建物は
今も以前の姿をしているように見える
(本当は それらも旧くなりつつある)
故郷とは 記憶のなかに所在する場所
私たちの生存の手掛かりは そこに現れて
音もなく消えてゆくが そのことに何の意味があるのだろう
目の前を行き交う通行人が 自分たちの往来と
胸中にしまってある動機を いちいち気に留めても意味がない
時は慌ただしく過ぎる 私たちが心を抑え付けて生きるのを
或いはこの世に固執するのを許さない
(高みにあるもう一つの時空から誰かが
俯瞰する眼差し それが見えたのだった)

3、旧居滞在の二分間
数十年前そこは広かった なんて大きな家だったのだ
君はそう一人ごちた 今それは小さくなり
縮んで形を変えたせせこましい旧い建物になっていた

事物はおのれ自身を客観的に開示するのではなかった
観察者の意向に従って変わるのだった
旧居の観察にはポンティ(注)の現象学が似合う

君は自身とは別の対比物あるいは仲立ちを身体の内に秘めて
建物の空間を変更したのだった その部屋はもしかしたら他ならぬ
君の身体なのかも知れなかった 部屋の方はその時

互いに転化し合える 或いは可逆性があると思ったのだ 君は時間の
大量出現であるに過ぎなくなり 隠れてしまった時間の破片
或いは生活に関する事項が――続々と立ち上がってきた

母は応接間の西側にあった小家屋で息を引き取り
握った手がゆるんで小紙幣が現れ 目が閉じられると
それに従って建物の入口が閉じられた 新たにやって来た主人は

さっそく修理したが 時間の面影は
目で捉えることができた 旧いカーテンが新しい
ベッドの一角から見えてきた 君はベランダに出て見渡した

燕の巣は無くなっていた 改装がそれらを跡形もなく壊したのだった
燕は驚きおののいて叫び 君を恨んで責めたらしかった
なぜ行ってしまったんだと なぜ巣の居場所を失くしてしまったんだと

北方からここに電話が掛けられ 母が受話器を
手にすると―――鳴き声も参入していったのだった
景山の裏通りから出かけてみると 燕が飛んでいて

借家の通路塀の最上部に二つ 泥色の巣があった
君が家を出ても 燕はどうしてもそこを離れることができず
追いかけて問うのも諦め 回答しようのない曖昧さのままになったのだった

妻は娘といっしょになって 私とは別の回想をしたが
家屋は売りに出される羽目になり 彼女はしばらく病に伏せて
鬱々として辛く―――身体のどこかの器官に突然

ひびが入り それが彼女の身体に付き従ったのだった 君の青春へ
彼女のすべすべで柔らかな肌着へ 枕頭の書へ もう帰ってゆけないが
もう一度捨てたら―――それらはがらんとしたものに変わってしまう

そこには緑色のポストの空洞があり ホコリを被り
手紙を書く人と受け取る人はおらず 空っぽのポストは
まるで持ち主が脱ぎ捨てた時代おくれの緑のコートのようだ

それは容器 次第に記憶の薄れてゆく昔の出来事が盛られ
そこには 私の記憶と感情が織り混ぜられている
君と彼の混ざり合った空間だ 深夜に目が覚めて

北に面したベランダのトイレから見える 真夜中の街道の
オレンジ色の街路灯の下には人一人いない 世界はこのように
ひっそりがらんどうだ―――人はベッドに戻ろうと手探りしているのだ

注 ポンティ=モーリス・メルロ・ポンティ。仏の哲学者(一九〇八~一九六一)。主に現象学の発展に尽くし、『知覚の現象学』、『見えるものと見えないもの』等の著書がある。

4、反季節
私は一時間を使って冬から夏へ
到達する 道すがらひっきりなしに脱ぐ
衣服を脱ぐ 熱帯の駅には
きらきらする陽の光 少女たち
の長い脚が灼熱の空気を刺激する
私は海に面したバルコニーで腰掛け
椰子の林の図柄をプリントした半袖シャツを着ている
だが君は空気の腐った部屋に閉じこもっている
そこでは大雪が枯木と荒野のうえに布団のように敷かれている
君たちの空間にあるのはモヤと事務室だけ
局長が煙を吐き 私の視線の先には
深緑の海が滔々と現れる 海燕が飛んでいて
海水から身をかわすというのは まるで海亀が
温かい砂浜まで這っていって 身体に白い塩粒が現れるまで
ずっと陽に当たっているようなものだ
蘇鉄 花梨樹 そしてセクシーなビンロウ樹
緑豊かなものは自分の季節のなかで呼吸し
ビンロウを噛む庶民は田植えをしている 水牛たちが
鏡のように照る水田に散らばっている (南国の植生のなかの
生き生きとした飾り付け)君たちは反季節だということだ
それらはこれまでずっと自分の季節のなかだけにあったのだ
そこの気候に順応したらもう逆らうことはない
君たちとはこれまでずっと同じ緯度にいたのではなかった
私の辞典には情熱だけがあり そこの陽の光のような
火の熱さで これまでずっと冷淡さはなかった
書物を下に置いて 書斎から出てくると
幽霊のように この時代に反している
私はビートルズを聴いて君は革命模範劇を観て君は莫言(注①)を読む
私は高行健(注②)の『霊山』を読み君は秘書となって
市長がトイレに行くのを手助けし私は一人山中で裸になって泳ぐ
君は費用徴収の主要刊行物に論文を発表し
私は『反対』という名を付けた民間出版物を計画する
Pm2・5のモヤのなかで 君は朝の鍛錬をし
もしくは慌ただしく選抜会場へ駆けつける
私は木犀の花のほのかに香る空気を呼吸しているところだ
君たちは命を削るようにして金を稼ぎ私は詩を書くのに夢中だ
君たちはスーパー中百へ行き旅行は欧米を指定する
私は洞庭湖へ行って泊り東洋の名もなき田舎町へ行く
つまり相反しているのだ―――私は君たちとずれている
私たちは以前から同じ境遇にはいないのだ
私の身体には冬がやって来た 五十を過ぎた
まさしく己の晩年に属するところまでやって来た
私にとって 言葉の命は間違いなく若い
何度かの反逆と変転の後には何か
成果を残したいが そのことと寿命は相反している
一生はこのような停止することのない反抗のうちに置かれている
私はつまりこんな風にして後ろ手で歩いてきたのだった 反骨
反対方向 反正常 反逆 反代役 反論 反発展 反常道
反比例 反精神 反物質 反関数 反位相転変
反指示器 反鵜呑み 反粒子 反相互浸透 反季節
 
  • 莫言=本名は管謨業。一九五五年、山東省高密市生まれの小説家。代表作に『紅い高粱』、『豊乳肥臀』、『蛙鳴』などがある。二〇一一年、茅盾文学賞。二〇一二年、ノーベル文学賞。
  • 高行健=一九四〇年、江西省贛州市生まれ。フランス国籍。代表作に『霊山』、『ある男の聖書』などがある。二〇〇〇年、ノーベル文学賞。

5、綿花の香り
君は私たちが話しているところへやって来た 私は
愛する女性といっしょにいて 私と君との初恋が
自分たちの生れた土地での出来事だったことを語っていた
君は私に 君の少女時代を直接見た証人は自分なのだと
気付かせてくれたのだった 花柄のブラウスが家の前の
杉の木の小枝に懸かっていた 私は月の光に静まる船着き場で
笛を吹き 君はきれいに片付いた部屋で歌った
辞典のなかに性器に関する言葉のあるのが見つかり
君は顔を赤らめた 私がベッドサイドランプのスイッチを切ると
暗闇のなかに君の呼吸が聞こえた
そのベッドで私は君に近寄る勇気がなくて またスイッチを入れて
明かりのなかに身を置くのだった 川辺の柳の下で涼んでいると
夏の風が稲田から爽やかさを送り届けてきた
月の光は足指の間にきらめき 林は乳白色に光り
草むらに虫が鳴いた 豚鼻アナグマがトウモロコシの茎を折るので
―――私たちの近隣の人たちが月下に参集した
真夜中になって君の母さんは君に家に戻るよう呼んだ
どうやって彼女の目を迂回して君のベッドルームに行ったか
村でただ一人の高校生は 君と野良へ行き
オオタバコガを殺した 小さな身体が噴霧器を背負っていた
綿花の香りというものに気付いたのは 私と君がいっしょの時だった
後になって私たちは村を離れ 私が帰ってきた時
私たちの村は引退してしまい記憶のなかに隠居していた
君は別の男性を探し当てて嫁ぎ 子を生み育てていた
私は君の顔に皺を見た 君の母さん
彼女は背中がかがまり老眼で目がかすみ私が誰であるか分からなかった
私の生まれた土地と君に対する記憶は同じところにある
異性に対する体験 美に対する感覚は君に始まっている
君はいつのことだったか私の勤める学校まで会いに来たことがあった
私は道の大きなカーブを回ったところで朝の読書中だった 君の去った後
朝の光のなかに露の玉が見えた 君は私の青春の
一部を占めている 君の老いてゆく身体のなかに哀しげな愛を
窺い見ている 君はいつも村から手を振っている
だが君は始まりなのであり 私は別の女性の身辺で
君を体験している 私たちの会話が君のことに及ぶのは
ちょうど君が私に会えるのは夢のなかだというのと同じだ
愛を通じて君の身辺にもどり 少女を通じて
君の身体にもどり 語らいのひと時にもどる
いきなり自動開閉の街灯にスイッチの入る時刻
自分たちの故郷が遠く去ってしまった少年一人の愛の歴史が
隠している若い日の欲望 君といっしょに眠りたいと思ったものだ
それはもう叶わないことだ 私は今 酒場のボーイの傍らに身を横たえ
彼女との往来のうちに 月明かりに照らされた遥かな流塘口の地にたどり着く

6、火の消えた火鉢
町から持ち帰った火鉢のそばで
本を読み火に当たってみた 故郷の二階には
実感できる温かみがまだ残っていた
いきなり襲いかかってくる寒気を防ぎ止めようと
父はいつも母屋の火鉢に
火を焚いた 一年前の木の根が
燃え上がると 外では雪が舞っていても
家族は火鉢を囲んで談笑した
トウモロコシが破裂音を弾かせ
ソラマメが油に揚げられて割れ香りを漂わすにつれ
父は無口になって 彼手作りの
葉巻きタバコを燻らせていた 彼の顔は
火の光のなかで揺れ動いた 何時のことだったか
おまえは彼に一本手渡し 一言ごきげん伺いを
したことがある 父はおまえのそれから
何を受け取ったか おまえは手に何を携えて彼を敬ったら
いいのか分からなかった 次第に暗くなる火鉢のそばで
不安でもあり恥ずかしくもあったのだった 現在の木炭は
一切れ一切れ急速に燃えかすに変わる
機械生産の木炭には子供時代というものがない
父の焚く火力は旺盛だった
彼が枝一本でちょっとつつけば
炎はたちまち跳びはねた お婆さんの皺くちゃの手の甲が
母の野菜の葉っぱがくっついた掌が
兄弟姉妹の異なる長短の十本の指が
火鉢に向かって伸びた 煙のなかの父の顔は
明るい光に照り輝いた おまえはどれほど
飴玉かタバコ一包みを手渡そうと思ったことか
―――彼はもう受け取ることができない
この世の束の間の 肉親間のこの情愛と温もり
彼が焚いたあの火鉢の火はいつまでも消えることがない

7、一九七九年
校庭の東南隅の桃の木は
花の盛り 群れひしめく淡い紅色
遠慮ということを知らずに咲き誇っていた

彼の身体にもそのような桃の木が生えていて
教壇に立って 学生に対する己の愛を
一つ残らず 惜しみなく与えた

彼は 校庭での朝の読書でしばしば出会った
草の葉の先の露の玉 女学生蒋茂珍は
頭を下げて柳先生と呼び 頬にはほんのり

桃花の色がほころんだ 彼女はあるとき
梔子の花を髪に挿頭したから 彼の周りには
淡い花の香りが残された その赤煉瓦の教壇

教卓には蓮の花が置かれたが 初夏が到来したそのとき
彼女の話しかけるような目にどうして教室で出会えなかったのか
その桃の色は その露の玉は 突然落下したのだった

彼女たちは 青緑の蓮が天に連なる返湾湖(注)へ菱の実採りに行き
木の船が一方に傾いて 菱の葉の浮かぶ水面に
沈んだ―――もう二度と彼女を見ることはないのだった

小声で彼の名を呼んだ 頬にさっと桃の色が現れた
教壇にはもう心の籠った蓮の花はなかった 十六歳の
女学生は―――田舎の校庭からどこかへ行ってしまった

桃の花は時の流れに消え去った 十八歳の体内の桃の木は
折られた 彼には分かっている あの年から始まっている
―――彼は死が気に入ったということだ

注 返湾湖=湖北省潜江市の湖。

8、孤島
雨の歩みの後に付き従って 彼はその島へ
向かっている まわりを田野の用水路や緑の木に
囲まれ 孤島に似た農村の中学を
遠くから見ている

ぬかるんだ道がその中学と
十数キロ向こうの農場に通じているが
長雨がそれらと外界との間を仕切ってしまい
郵便配達員の姿も隠れてしまう

手動の電話が行政府から
分場農場へ掛けられ そこからさらに掛けてこちらを
呼び出す 受話器を取るだけ ダイヤルは回せない
ああ 雨のなかの八方ふさがりの時間

見えるのは アケボノ杉の林の隙間の
霧雨茫々たる田野だけ 外に出れば
たちまち田野に出会う 深緑と荒涼が
身体と意識に転移してくる

孤島と付き合うには 灯火を高くかかげて夜の読書
渡り廊下では風のなかをアオギリの葉が滑走
誰かがノックしたのかと思う ドアを開ければ
足の裏のような落葉がそこを徘徊している

その孤島の侘しさが彼を形作る
頑なに守る昼寝の癖はそこで身に付き


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